今日はプロンプト(指示文)でよく使われる「ペルソナパターン」について解説します。
ペルソナパターンってなに?
「ペルソナ」とは、人物像のこと。普段あまり使わない言葉ですが、難しく考える必要はありません。
要は、ChatGPTに質問したい内容を誰に相談するか?を考えるという意味です。
食事の献立のことだったら栄養士さん。
子どもの成長についてだったら保健師さん。
または、実在の人物ではないけど、あの小説の主人公に相談してみたい!と思うこともあるかもしれません。
そんな時は、ChatGPTのプロンプトの最初に、「○○として回答してください」「○○としてふるまってください」という指示を加えることで、それぞれの視点からのアドバイスをもらうことができます。
ChatGPTに特定の「ペルソナ」を与えることで、どのように回答が変わるかを見ていきましょう。
ペルソナパターンの例
たとえば、11月のドイツの天気について知りたいとします。そこで、①気象予報士、②ドイツ在住のママ友、③りす、の3人にそれぞれ相談してみることにします。
ペルソナその1:気象予報士
以下のようなプロンプトを入力します。
気象予報士として回答してください。11月のドイツの天気はどんな感じですか?
このプロンプトを入力すると、ChatGPTがオンライン検索を開始し、ドイツの各都市の気象データを一覧にして提供してくれます。
ペルソナその2:ドイツ在住のママ友
それでは同じ内容を、ドイツ在住のママ友に尋ねてみたらどうでしょうか?プロンプトを以下のように書き換えます。
ドイツ在住のママ友として回答してください。11月のドイツの天気はどんな感じですか?
気温データに加えて、「どんよりした曇り空」といった主観的な情報や、子どもの服装についてのアドバイスなども出てきました。
ペルソナパターンその3:りす
ChatGPTは人間以外のペルソナも設定できます。同じ質問をりすにしてみます。プロンプトを以下のように書き換えます。
りすとして回答してください。11月のドイツの天気はどんな感じですか?
りすが実際に「チチチ!」と言っているのを見たことはありませんが、気象予報士やママ友とは明らかに違う視点からの回答になっていますね。
ペルソナ設定のコツ
このように、ペルソナの設定によってChatGPTからの回答が変わることがわかりました。
でも「ペルソナ」なんて言われても、すぐに思いつかないなあ、という方に、いくつかヒントをご紹介します。
ペルソナの見つけ方①:相談相手をイメージする
理科の宿題で、気象データをまとめるのであれば気象予報士の回答。
ドイツへの引っ越しの前に現地の天気を知りたければ現地在住ママからの回答。
子どもと一緒に秋の森のおはなしを考えるのであれば、りすからの回答。
というように、質問の目的に応じて、回答にふさわしい人物を思い浮かべてみましょう。
ペルソナの見つけ方②:実在の人物?架空の人物?
回答者として、実在の人物の方がよいこともあれば、架空の人物の方がよいこともあるでしょう。
この人だったら知っているだろうと思われる人物に質問すれば、回答もより具体的になるでしょう。
新たなインスピレーションがほしければ、架空の人物(アニメのキャラクターなど)に尋ねてみても良いかもしれません。
ペルソナの見つけ方③:主観的?客観的?
たとえば「こういうこと言ったらどう思われるかな?」という予測をたてたいのであれば、主観的な意見をくれる人に尋ねます。
対して、データがほしいのであれば主観は不要ですね。客観的なデータをくれるのは誰かを考えてみましょう。
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もちろんペルソナを設定しなくてもChatGPTは回答してくれます。
でも、出てきた回答をみて、「こういうことを聞きたかったわけじゃないんだよな…」という時は、ペルソナパターンを使ってみると、より期待通りの回答がもらえるかもしれません。
まとめ
今回の記事では、回答者(ChatGPT)のペルソナを変えることを考えてみました。
ペルソナを考えることで、ChatGPTからの回答がより自分に合ったものになります。
ただし、注意しなければならないのは、ChatGPTの回答がどんなに「それらしく」見えたとしても、その内容が正確でない可能性もあるということです。
ペルソナパターンに限らず、ChatGPTなどの生成AIを利用する時は、重要な情報はダブルチェックするように心がけましょう。
ペルソナパターン、ぜひ使ってみてくださいね。